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普段のご飯で食べ慣れている「白米」アーユルヴェーダのレシピに多い「バスマティライス」。この違いってわかりますか?

バスマティライスは「長粒米」の一種で、その名の通り、一粒一粒が長く細いのが特徴で、水分量は日本米の半分。糖質も半分とされています。

  • さらさらしていて食べやすい
  • カレーに絡みやすい
  • 食後の体感が軽い

のが特徴で、糖質も水分も半分のため、ご飯は食べたいけどダイエットもしたい。カレーに合わせて食べたいという方に人気です。

ちなみに長粒米の中にはジャスミンライスやタイ米も含まれますが、よくよく見比べてみるとこの3つの中ではジャスミンライスが最もふっくらしています。ベトナム・タイ・インド、それぞれの土地がもともと含んだ水分量の違いからだと思います。

この長粒米に比べて日本米がふっくらしっとり、粘性も高いのは日本の土壌がそれだけ水分をたくさん含む豊かな土壌であることの現れです。

春のKapha憎悪の時に「粘性」は控えて。デトックスの時にも!

アーユルヴェーダのケアの基本は「増えているドーシャと同質のものを摂り、逆の性質を摂ると鎮静する」です。

ドーシャには「性質」があり、春の季節に増えるドーシャには次のような性質があります。

  • 冷性
  • 油性
  • 重性
  • 粘性
  • 固定性

本当はもっとたくさんあるのですが、これくらいにしておきます。
性質からイメージしてみると、Kaphaとはつまり「冷たい油が体内に蓄積されて重たくなり、ネバつきが増えて、それが固定される」感じです。

こうした性質を持つKaphaは、春の新しい生命が芽吹く時には必要なエネルギーです。種から芽が出て、根をはり、植物が成長するとき、冷たい水をたっぷり含んだどっしりとした重たい土が必要です。土がサラサラ乾燥していて軽いようでは、せっかく根をはり始めた植物の芽も、強い風が吹いたら吹き飛ばされてそれ以上育ちません。

同じように、赤ちゃんを授かったお母さんの身体も、慌てたり移動しすぎたりせずにどっしりと構え、たっぷりと食事を摂り、重たくなっていくことでKapha優勢になり、そのおかげで赤ちゃんが胎内で安心して育つことができるのです。

ただ、赤ちゃんを授かっているわけではない人にとっては、春に環境の中でKaphaが憎悪し、なおかつ同じような性質のものを摂ると、身体は冷えて重たくなり、鈍重感・倦怠感・花粉症などの症状に悩むことになります。

そのため、同質のものを摂るのを控えると身体が軽くなり、温まって、軽快に新しい季節の訪れを迎え入れることができるのです。

控えるべき同質のものは例えば、

  • ヨーグルト
  • バターたっぷりの洋菓子
  • アイスクリーム
  • 白砂糖がたっぷりの和菓子
  • クリームたっぷり入ったチョコレート

などがあります。こういうものって、冬の終わりから春にかけて無性に食べたくなるから不思議ですね。ヨーグルトに至っては「花粉症にいいと聞くから」と食べ続けている方も多いのではないでしょうか。実はヨーグルトは粘性で冷性で重性なので、花粉症の症状を抑えるなら春はもちろんのこと、一年中、食べるのを控えた方が良い食材の一つなんです。せめて、冷蔵庫から出した手の状態で食べるのはやめておきましょう。

同じヨーグルトでも、水で薄めて岩塩やスパイスと共に摂る「バターミルク」ならむしろ花粉症を軽減するので、やってみてくださいね!バターミルクの記事はこちら>>>

花粉症がなくても、なんとなく身体が詰まったような感じがする。頭が重たい。鼻が詰まって匂いがしない。そんな方は「粘性」をそれ以上摂ると、ますますスロータス(身体の中の経路)が詰まり、Kaphaが憎悪し、身体が重たくなってしまいます。粘性を摂るのは控えておきましょう。

春に限らず、

  • ダイエットしたい
  • デトックスしたい
  • 気持ちをリフレッシュしたい

という時にもKaphaと同質のものは控えた方が楽になります。

白米を炒って「炒り米」を作ろう。軽くてスッキリ!

白米は、アイスクリームやヨーグルトに比べればKaphaを憎悪しないですが、それでも毎日食べるもの。その上豊かな土壌が育んだ水をたっぷり含み、もっちりむっちりしていて、重性で粘性といえます。Kaphaの憎悪を感じているだけでも、お米の食べ方を工夫したい!そんな時におすすめなのが「炒り米」です。

お米は食べたい。
でもバスマティライスは慣れていないし、パサパサするし、なんだか匂いがするから苦手...という方にもおすすめ。

作り方は簡単。洗ってザルにあげておいた白米を、フライパンに加え、弱火でじっくり乾炒りするだけ。

木べらでじっくり、かき混ぜながら炒っていきます。火はずっと弱火です。

ずっとかき混ぜていくと、ほんのり薄ーい茶色に色づき、木べらでかき混ぜる手が「ふっ」と軽くなる瞬間があります。それが十分に水分が飛んだ証拠。

この写真はお店用なので6合炒ってますが、お家で家族で食べるご飯の量で、1-2合であれば、ほんの5分ほど炒ればできるのではないでしょうか?(※ガス台の条件によるので、必ず木べらを持つ手が軽くなるまで炒るようにしてください)

あとはいつも通りの水分量で炊くだけ。

見た目は普通のご飯なのに、食べると不思議なくらい食後の体感が軽い!日本米のおいしさを失わずに、消化に軽いご飯が食べられるなんて嬉しい知恵ですよね。

  • ご飯を食べると食後に眠たくなる
  • 運動の前はお腹が重たくなるから、ご飯を避けている
  • 夜にご飯を食べると、消化に重たくて太るのではと気にしている

という方にもおすすめですよ。

お粥にするとさらに爽快!春の苦味を使って美味しいお粥レシピ

炒り米を使ってお粥にすると、さらに消化に軽く食べた後とっても気分爽快です。
簡単なレシピをご紹介するので、作ってみてくださいね。

<炒り米とクレソン、卵のおかゆ>

  • 炒り米を土鍋に入れ、5倍の水で炊き始めます
  • トロッとしてきたら、刻んだクレソンの軸の部分を先に入れ、軽く火を通します
  • 生姜のみじん切り、クレソンの葉っぱを加え、少し温めます
  • 溶き卵を回し入れ、岩塩で味を整えます

この日、私は連日美味しいお菓子の食べ過ぎで身体が重たく、眠かったので作った賄いのお粥です。
トリカトゥをたっぷりかけて頂いたら、その後スッキリ爽快、仕事がさくさく進んで嬉しくなりました。トリカトゥも合わせて作ってみてくださいね。
トリカトゥのレシピはこちら>>>

ご飯で得られる「重性」は精神安定や良質な睡眠にも必須。摂り方を工夫しよう。

  • ダイエットしたい
  • デトックスしたい
  • 翌朝の目覚めを良くしたい
  • スッキリ爽快に生きていきたい

こうした気持ちがある時に、食事の中でまず排除されがちなのが「ご飯」です。だけど、ご飯が身体に与えてくれる「重性」は実は身体に安定感を与え、それが心の安定や眠りの深さにも良い影響をもたらします。

あまりご飯を避けたりすると、逆にお通じの状態が悪くなり、睡眠の質も悪くなり、気持ちがソワソワするので、結果的になりたかった自分から遠のいてしまいます。

そのため、私は消化力に応じて、ご飯は三食、または昼と夜二食だけでも、しっかり食べることをおすすめしています。眠りに悩みがある人ほど、なかなか痩せられないと言っている方には特にそうお伝えすることが多いかも。

そんな大切な存在のご飯、季節によってはこうして炒って食べたり、おかゆにしたり、食べ方を工夫して摂れば良いのでは!と思います。何よりご飯があると、お吸い物やおかずがますます美味しくなる。その甘みや食べた時の満足感で、ホッとするのです。

摂り方を工夫し、美味しく食べながら、春を軽快に過ごしていきましょうね!

春のKapha軽減にはキチュリもおすすめ>>>

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