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暦の上では大暑を過ぎて、大気中の湿気が重たく地中にまで浸透する季節です。
歩いているだけで足が重たくなってくるのは、その地中の湿気に人の体が影響を受けるからとされています。

暑いし、老廃物も流せるからと水分をたくさん飲みがちですが、ただの水を飲んでも十分に老廃物は出きらないし、エアコンで体の表面だけは冷えているので内臓に熱がこもりがちです。その結果、足元は冷たく重くむくんでいるのに、上半身はなんだか暑い...という感じになります。

こうした夏特有のむくみや水分・熱が滞留する感じは、水をたくさん飲むよりも効果的なものがあります。それがウリ科の野菜。

 

ウリ科の野菜の中でも特におすすめ!冬瓜

緑色の皮に包まれて、スーパーでもぼてっと端っこに配置されがちな冬瓜。
「どう料理したらいいのかわからない」
「レパートリーが少ない感じがする」
「重たくて持って帰るのが億劫」
とよく聞きます。

確かに、冬瓜といえば日本だと鶏肉とシンプルに炊くおかずくらいしかイメージがないですよね。でも、アーユルヴェーダでは冬瓜は様々なレパートリーがあり、夏に特にたくさん食べるように勧めています。

夏におすすめな理由は次の通り。
✔︎カリウムが豊富
✔︎腎臓で老廃物を排出するのでむくみ軽減に効果的
✔︎3ドーシャ、特にピッタの鎮静に効く

真っ白で一見栄養がなさそうに見える冬瓜。
実はこもり熱にもむくみ軽減にも良くて夏に本当にぴったりです。

冬瓜を始め、ウリ科は長い期間食べられて栄養豊富・老廃物排出に良い野菜が多いです。ウリ科の仲間は他に、ズッキーニ、スイカ、きゅうり、夕顔、メロンなどなど。冬瓜は「夏にとれて冬まで保存できる」から冬瓜という名がつき、農家さんちの納屋なんかにはゴロゴロそのまま置かれています。

ちなみに、長く保存できるとはいえ、一度カットすると傷みやすくなるので、、カットしたらすぐにタネとワタの部分を外して保存すると長持ちしやすいのでやってみてください。

代表的なのは舐め剤、冬瓜のアーユルヴェーダレシピ

冬瓜を使ったアーユルヴェーダレシピで代表的なものは「舐め剤」です。

スプーンですくってパクッと食べる「舐め剤」は他にもチャワンプラーシュ(アムラをメインにたくさんの生薬で作るもの)や、その場でギー・ターメリック・黒胡椒を混ぜて喉の薬として食べる舐め剤など、いろいろあります。

食べられるものだけでできていて、古典書通りのレシピで忠実に作られるアーユルヴェーダの舐め剤のレシピは頼りになるものばかり。

冬瓜の場合も、チャワンプラーシュのように様々な生薬と一緒に煮込んで、ギーや非加熱のハチミツも加えて甘いジャムを作り、舐め剤として食べます。

▽これは以前、アーユルヴェーダスクールの実技で作った冬瓜の舐め剤

見た目が全く美味しそうじゃないので何の説得力もないですが、これは美味しい。
特に長胡椒が効いていてほんのりスパイシー、食べやすく、Pittaを鎮静して食欲コントロールに効きます。

こちらは工程が果てしなく長く、さらっとレシピを紹介できる感じでもないので、いつかワークショップなどでご紹介したいです。

冬瓜とアロエのジュースで身体の内側から美肌ケア

今回は舐め剤よりも手軽に作れて、かつ夏のお肌ケアにも良いレシピを紹介します。

アロエのレシピは以前こちらに掲載しました。
アロエはもピッタ鎮静に良いので、冬瓜と一緒にすることで夏にピッタリ最強ドリンクになりますね。子宮、腎臓など下腹部を内側からケアして女性の肌を綺麗にする感じです。

<材料>
・冬瓜 150g(皮とタネを除いた状態で)
・アロエ 1本
・非加熱のハチミツ お好み

<作り方>
・冬瓜は皮をむき、サイコロ型にカットして、透明になるまで茹でて冷ましておく。
・アロエは皮をむき、中身をほじくり出してボウルに入れて、非加熱のハチミツを加えてよく混ぜる。
・茹でて冷ました冬瓜とアロエを一緒にジューサーにかけ、撹拌する

↑我が家のベランダで大量に生えているアロエ

↑中身を取り出す。緑色の筋を丁寧に取り除かないと下痢の原因になる(このあととりました)

↑アロエってトロトロ粘性が強い食材ですが、非加熱のハチミツを加えてよく混ぜると粘性が取れてきます。ハチミツには粘性を取り除く効果があるからです。

↑非加熱のハチミツを使った料理の時は、他の食材も含めて全て「熱々じゃない状態で」作ることがポイントです。非加熱のハチミツは非加熱だから良いのであって、加熱してしまってはかえって身体に有毒になるとされています。

✔︎飲み過ぎには注意。ココナッツウォーターで割ってもGOOD

アロエも含んでいるので、大量に飲むと軟便の原因になります。
そのため、毎日30cc-50cc程度が無難かと思います。

ちなみにハチミツで加糖はされていますが、市販のココナッツウォーターなどで割ってもGOOD。冷蔵庫で冷やさず常温で飲んでも汗が引く爽快な一杯になりますよ。

 

スープやサンバルなど様々なレシピで応用して

この冬瓜、スパイス料理では応用レシピがたくさんありますが、eatreat.ではこんな風に使っています。

✔︎ココナッツミルク入りのスープ

冬瓜を透明になるまで煮込んだあと撹拌して、ココナッツミルクで割って岩塩で味付けするだけのシンプルスープ。簡単なのにとっても美味しくて、喜ばれることが多いです。

✔︎サンバル

タマリンドやトマト、マメ類と作る辛酸っぱいインドのカレー、サンバル。旬の食材で季節ごとの味が作れるのも魅力ですが、夏は冬瓜で作ります。味の濃いきゅうりやナスと合わせて作るととっても美味なのでやってみてくださいね!

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