食養生のレシピ
毎日快便!消化力をUPする「バターミルク」レシピ
公開日: 2025.01.26 更新日: 2025.01.26
アーユルヴェーダの便秘の定義はやや厳しめ。
・毎日でる
・スルッと出る
・なんなら朝一番に、便意で起きる
これが理想の姿とされています。
毎日食べる飲食物を健やかに消化・変換し、不要なものは老廃物として毎朝排出しリセットする。
これは不調の原因となる「未消化物」を蓄積しないためにとても大切なことです。
そのため、ドーシャやグナなどいろんなコンセプトがある中で、飲食物を消化する力「アグニ(消化力)」はアーユルヴェーダでは実は一番大切なコンセプトですよ、と言われています。
消化力は人それぞれ違う
自分の消化力、どれくらいあるかな?と考えてみたことはありますか?
消化力とは基礎代謝のようなもの。
例えば、大学のラグビー部に所属している19歳の男の子と、学食で居合わせた職員の自分が、その日の定食Aランチを食べたとしましょう。ご飯大盛り・具沢山の味噌汁・カツの卵とじと山盛りの千切りキャベツが定食Aランチの内容です。
食後の体感や、その午後の身体の軽さについて、19歳の男の子と同じなわけがりませんね。
まだ若く、よく運動し、まだ成長期の中にいる人間と、年齢を重ね、運動量が減っている人間とでは、同じものを食べて同じように消化することはできません。
このように「アグニ(消化力)」は年齢によっても変化し、一年の季節の中でも変化し、さらに元々の体質でも強弱があります。詳しくはeatreat.のアーユルヴェーダ季節の料理教室3月の回でお届けする内容になりますので、自分のアグニについてもっと知りたい!という方はこちらから参加してください。
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季節の変化に伴い、消化力は変化する
一方、一年の季節の変化というと、
・一番暑い時に消化力は低下し、
・一番寒い時に消化力は最高潮になる
というのがアーユルヴェーダの考え方。
実際、真夏は食欲も落ちてちょっとしたことで下痢したりしますが、真冬はグラタンやカルボナーラ、ピザにお酒とご馳走をたくさん食べたくなりますし、食べても元気に過ごせたりしますよね。
一番暑い時(夏至の頃)・一番寒い時(冬至の頃)を起点として、その間は曲線を描くようにして消化力が低下したり、強くなったりしています。
冬から春に向かっての消化力の状態としては「だんだん弱まってくる」時季。この記事を書いている1月は、これから消化力が低下する時期に入っています。
そこで!弱々しくなる消化力をサポートするアーユルヴェーダのドリンク「バターミルク」のレシピをご紹介します。
弱まる消化力をサポートする「バターミルク」のレシピ

近隣のスーパーで手軽に手に入れるならとりあえず「牛乳100%」のものにしましょう。
変に乳脂肪分を減らしたものなどは避けるようにしてください。
◯材料
- ヨーグルト100g
- 水100cc
- 岩塩2g
- ヒングアシュタカチュルナ5g
- (お好みで)パクチー適量
バターミルクにはぜひ、ヒングアシュタカを作って入れて欲しいですが、スパイスを全部手に入れるのが大変な方や面倒だなという方は「クミンシード1g、黒胡椒0.5g、フェンネルシード1g」とかで代用しても大丈夫です(ヒングアシュタカチュルナの分量と合計が違いますがそんなに気にしないでください)
作り方は、上記の材料をミキサーに入れて撹拌するだけ!

(よりお腹の調子が悪い方は、2倍ではなく3倍の水など量を増やして、薄く希釈してみましょう)



他のスパイスにするときや、パクチーを追加する時もこのタイミングにしましょう。


どんな時に飲むの?
バターミルクは毎日、朝一番に作って飲むのがおすすめです。
先日は、毎日続けることで、お腹のガスが減り、便秘が改善し、さらに気持ちまで安定した!
というvata優勢の生徒さんから報告を受けました。
朝イチで冷たいヨーグルトを摂って冷えないかな?大丈夫かな?と心配されそうですが、
水で撹拌していること・岩塩やスパイスを加えているため、過度に冷えることはありません。
安心してください。
効果・効能は?
バターミルクは「消化力を上げる」飲み物です。
- 元々消化力が弱い
- 便秘がち、下痢しがちなどお腹が弱い
- 若い頃はたくさん食べても大丈夫だったけど、年齢を重ねるにつれそうもいかなくなった
- 病み上がりであまり食欲が湧かない、お腹の調子が悪い
などなど、さまざまな方に効果的。
- 朝スッキリお通じが出るようになった
- お腹のガスが減った
- 気持ちが落ち着いた
- 食欲が湧いて、ご飯が美味しい
などの効果が期待できますよ。
毎日続けることが大切なので、一定期間続けてみて、ご自身のお腹の調子の変化を観察してみましょう。
南インドでは麦茶代わりのようにテーブルに置かれる
南インドで食堂に入ると、このバターミルクが日本の麦茶のような大きなボトルに入れて、
「おかわり自由だよ!」とドーン!と置いてもらえます。
南インドのカレーというと、お米が主体で、サラサラと食べやすい印象だと思いますが、
カレーは油をたくさん使う料理。特に現地のカレーは日本のそれよりも油の量が多く、
消化に負担がかかるので、その食事を気持ちよく消化するために、
バターミルクをたくさん飲むといいんですね。
ヨーグルトも摂り方の工夫で消化しやすくなる
ヨーグルトといえばアーユルヴェーダでは「粘性」「冷性」
からだの中の消化の道を詰まらせ、冷たいので消化に負担をかける食材として、
料理に使うことはあまりありません。
ただ、このバターミルクだけは水で撹拌し、スパイスと岩塩を加えることでむしろ、
「消化にいい食べ物」に変わるんですね!
アーユルヴェーダでは「この食べ物を食べたら死ぬ」「この食べ物を食べたら絶対健康」
と言ったように、悪いものを決めたり、かつこれはスーパーフード!とすることは、
ほとんどありません。その代わり、どんな食べ物も調理の工夫や、その人に合っている
かどうかを考えて摂ること、タイミングや量なども考慮することで、薬になるようにす
ることができるんですね。
それもとっても素敵なところです。
バターミルク、名前も聞き慣れないし、なかなか味の想像がつかないと思いますが、
料理教室で生徒さんに飲んでもらうとだいたいの方が「美味しい!」と喜ぶ味。
ぜひ気軽に試して、いつでも快便を目指してくださいね。